カトンのラクサ激戦区 328 Katong Laksa vs Marine Parade Laksa ラクサの元祖はどっち?

カトンと言えばプラナカン文化が残る地域として有名ですが、カトンと言えばラクサと言われるほど、ラクサの激戦区としても有名です。カトンは空港にも近いので、シンガポール最後の食事として行くのも良いかもしれません。

今回はそんなカトンの2大ラクサ店とも言える328 Katong LaksaとMarine Parade Laksaの2店をご紹介します。

ちなみにですが、ラクサも含まれるニョニャ料理では箸を使わず手で食べるのですが、スープ物だけはレンゲを使って食べるので、ラクサも箸は使わずにレンゲだけで麺とスープをすくって食べます。
そのためラクサの麺は短く切れていて、スープが絡まないビーフンの麺でもスープと一緒においしくいただけます。個人的にですがラクサは日本の麺料理のように噛んで食べるものでは無く、まり噛まずに飲み込んでのどごしを楽しむ料理だと思っています。

今回ご紹介するお店もそんなニョニャの伝統に従って箸は出てこないので、是非レンゲでお楽しみください。

カトンラクサ戦争

カトンのラクサを語るときに欠かせないのが、一昔前の2000年頃に勃発した「カトンラクサ戦争」です。

当時40年以上ラクサを売り続けていたMarine Parade Laksaが店の移転とそれに伴って一時的に閉店した隙に328 Katong Laksaがその店舗を使って「元祖ラクサ」として売り出した事から対立が始まり、最後はその店舗のオーナーが328 Katong Laksaを追い出して自らFamous 49 Laksaとして店を始め三つどもえの争いが始まり、他の店も参戦し始めてカトンラクサ戦争が勃発します。

Maxwellのチキンライス戦争の時もそうでしたが、シンガポーリアンはこういう話が好きなのか、当時メディアでも大々的に取り上げられ、当時は従業員同士も客を挟んでにらみ合うほどの緊張状態でしたが、結局料理研究家が各店舗の格付けをしたことで、2店が閉店し争いも収まったそうです。

ちなみにどの店が「元祖ラクサ」なのかという議論については、そもそもカトン地域でラクサが有名になったのはマレー語であごひげを意味するJanggotというニックネームのおじさんが屋台でラクサを売り出した事が始まりで、直接Janggotさんのお店を引き継いだ人は居ないので、厳密な意味での元祖ラクサのお店は無いみたいです。

328 Katong Laksa

看板にでっかく「人気の店」と書かれていると逆に疑いたくなってしまいますが、本当に人気の店なので安心してください(笑)
観光客も多いですが、ローカルの人からも愛されているお店です。

普通に頼むと少し辛目で、辛みは自分で後から一緒に付いてくるチリペーストでも調節出来るので、辛いのが苦手な方は注文するときに「Less spicy」か「Non Spicy」でお願いすると良いと思います。
辛いのが得意な方は、この辛みとココナッツミルクのマイルドな甘さのコンビネーションがラクサの醍醐味なので、是非オリジナルの味で挑戦してみてください。

スープは魚介、特に貝のダシが強めで、具はかまぼこのような具とエビ、赤貝(スィーハム)が入っています。スープはラクサ定番のココナッツにエバミルクが隠し味で入っていて、なめらかです。

328 Katong Laksaといえば著名人の写真を店内に飾るアピールの仕方で有名になったお店だそうですが、確かに店内には多くの著名人の写真が飾られています。

ヘルズキッチンで有名なGordon Ramsayも来たみたいです。

ちゃっかり朝日新聞の記事も張っていて商売上手ですね。(どうやって手に入れたのでしょうか)

328 Katong Laksaはカトン地域にも複数店舗ありますし、カトン地域以外にも店舗があるので見つけやすいと思います。

料金 S$5
レーティング ★★
Makansutra2013掲載店 箸×4本
場所 216 East Coast Rd, Singapore Katong, Singapore
電話番号 9732 8163
営業時間 8:00-21:00

Marine Parade Laksa

カトンでもう一つ有名なラクサはMarine Parade Laksaです。ただ、こちらは328 Katong Laksaの道路を挟んだ反対側にあるRoxy Square1階の正面入り口入ってすぐのコーヒーショップ内の営業で、スープが売れ切れ次第閉店(だいたい16時くらい?)と店舗型の328 Katong Laksaとは違って若干難易度が上がります。

スープは濃厚ですが、魚介のだしとココナッツミルクがうまく調和していてどちらかが目立つと言うことは無いです。昔のラクサのレシピにならって赤貝(スィーハム)も入っていないそうです。
麺もスカスカの伸びきった麺が多いラクサの中で、ビーフンながら絶妙なゆで加減のちょうど良い堅さでスープと一緒に喉でも楽しめます。

こちらも壁には沢山の雑誌記事の紹介文が貼り付けてあり、こちらが元祖のラクサと紹介している記事が多いのも目に付きます。

料金 S$5
レーティング ★★★
Makansutra2013掲載店 箸×5本
場所 50 East Coast Road #01-64/72 Roxy Square

(Roxy Square内1階 正面入ってすぐ)
電話番号 9622 1045
営業時間 8:00am-16:00pm位 (売り切れ次第閉店)

結局どちらのラクサが元祖?

いろいろと張り紙している328 Katong Laksaの店内で、「元祖ラクサ」を謳ったものはなく、Marine Parade Laksaの方には看板にもでかでかとOriginal Laksaと書かれていて、最近ラクサに入り始めたという赤貝(スィーハム)が328 Katong Laksaのには入っていることからやはりMarine Parade Laksaの方が元祖に近いと言うことなのでしょうか。

ただ、Marine Parade Laksaは看板にもJanggotさんのレシピのラクサとも書かれていて、当時のラクサには今のラクサでよく使う赤貝(スィーハム)は入っていなかったそうなので、どちらかというとこちらの方が当時のラクサに近い味なのかもしれません。

味は個人的には赤貝(スィーハム)の味がそんなに好きでは無く、スープにも貝のダシが広がっているので328 Katong LaksaよりもMarine Parade Laksaの方が好みですね。Makansutra 2013でも328 Katong Laksaは箸2本なのに対してMarine Parade Laksaは2.5本と、こちらの方が評価が高いのも納得です。

ただ、Marine Parade Laksaの方は営業時間が短く、店舗も一つだけなので旅行の行程で行くのは難し時もありますし、328 Katong Laksaも十分おいしいので是非訪れてみてください!