シンガポールのディナーのお供と言えばタイガービールですが、タイガービールについて調べてまとめてみました。
より詳しくタイガービールについて知りたい方はタイガービールの工場見学もあり、記事にまとめているのでこちらも見て見てください。
また、時計じかけのオレンジで有名な英国の作家アンソニー・バージュスの処女作が「Time for a Tiger」で、当時のタイガービールの広告スローガンで、タイガービールが有名になったきっかけの一つだそうです。
歴史
タイガービールの歴史は戦前までさかのぼり、オランダのハイネケン社の調査員が「この地はきれいな水に恵まれているし、熱帯の暑さにはビールが合うはずだ」と目を付け、当時のシンガポールの大手飲料製造会社F&N(Fraser and Neave)社との合併会社であるマラヤンブリューワリーズを1930年に設立し、ハイネケンビールのヨーロッパの伝統製法のノウハウを生かしたビール作りが始まり、1932年10月に初めてのタイガービルが登場しました。
ちなみにシンガポールは1965年に独立したのでシンガポールの独立よりも30年以上前に生まれたビールなんですね。
名前の由来
タイガービールの名前の由来は合併会社の設立時のハイネケン社とF&N社の話し合いがラッフルズホテルで行われた際に、当時はまだ開拓が進んでおらず、シンガポールの島の大半がジャングルでまだ野生の虎が生息したそうですが、一匹の虎がラッフルズホテルの1階のBar and Billiard Roomに迷い込み、ゲストの安全のためにビリヤード台の下で射殺されたという事件がその会合の席で話題になり、「もし、そのタイガーがビールだったら、バーをいくら徘徊したって撃ち殺されることも無かったのに」との一言から「タイガービール」という名前につながったそうです。
※タイガービール工場内のバーにある虎のオブジェ。
その後
1990年の工場の移転を機に、社名をアジアパシフィックブリューワリーズ(APB)に変更し、中国、タイ、マレーシア、ベトナム、カンボジア、ニュージーランド、パプアニューギニア、インド、スリランカとアジア全域に醸造所があり、アジアだけではなくイギリス、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、オーストラリアなど60ヵ国以上にタイガービールを出荷しており、イギリスだけでも8000を超えるバーでタイガービルを楽しむことができるくらい世界に広まっているビールの一つです。
ハイネケン社とF&Nの合弁会社で始まったAPB社ですが、2013年にはハイネケン社の買収により完全子会社になっています。
タイガービールの味
1998年には英国世界最王ラガービール賞受賞し、世界各国の品評会で40個以上の金星に輝いており、プレミアムビールとしての評価を受けているターガービルはハイネケン社のヨーロッパのビールの伝統製法をベースにしており、モルトはオーストラリア産、ホップはドイツ産、そしてイーストはオランダ産のものを使用し、水はシンガポールの水をフィルターで6回かけて綺麗な状態にしたものを使用しており、ヨーロッパスタイルのミディアムボディーラガービールに仕上がっています。
色合いは透明感のあるやや薄い黄金色、アルコール度数は5%、甘い南国フルーツのような香りにラガーにしては苦みがそれほど強くなく、ほどよい炭酸のシンガポールの暖かい気候らしいすっきりした味わいです。
ラガービールなので、適温は3℃~7℃程度になるのでよく冷やして飲みましょう!