酿豆腐(Yong tau foo)とは? 客家料理の豆腐をくりぬいて肉団子を詰めた料理からの変化

豆腐料理じゃないのになぜ豆腐?

酿豆腐は前回ご紹介したとおり、シンガポーリアンにも日本人にも大人気のホーカーフードですが、名前に豆腐と付いているので名前だけ聞くと豆腐料理を想像すると思います。

酿豆腐の酿は客家料理の調理法の1つを表す言葉で「中をくり抜いて何かを詰める」事を指します。
そのため酿豆腐で、豆腐をくりぬいて何かを詰めた料理と言うことで、元々は客家料理の豆腐をくりぬいて肉団子を詰めた料理でした。

 

それがシンガポールに来て1950年頃に肉の代わりに魚のすり身を挟むようになり、野菜などを選んでスープと麺を入れる今のシンガポールの酿豆腐のスタイルに変化します。
豚肉から魚のすり身に変わったことはシンガポールが港で魚介類が多いことと、豚などの肉を食べれない人が多い事も関係あると思いますし、豆腐に肉団子を詰めた単品料理だった酿豆腐が野菜や麺を含めた主食に変わったというのはさっと来て食事を済ますシンガポールのホーカー文化が影響していると思います。

今では酿豆腐と言うと麺料理という感じですが、以下の写真のような野菜や豆腐に魚のすり身を挟んだものが酿豆腐という事で、沢山ある食材の中で目立たないので選ばないままになってしまう事もあるかもしれませんが、是非酿豆腐を食べるときは是非選んでください。

 

日本でも中華料理の拉面がラーメンとして独自の進化をしましたが、酿豆腐もシンガポール、マレーシアに渡り、一つの文化として根付いたと言ってもいいかもしれません。

料理としての酿豆腐

酿豆腐はダシで下味の付いたスープで揚げ物などの食材を煮た日本のおでんに似ているとも言われる料理ですが、このスープはイカンビリスと言う乾燥したセグロイワシと大豆でとったもので、魚のすり身はオキイワシやサワラなどの身を使っているそうです。

大豆のダシを使うのは珍しいですが、日本でもお寺など「なまぐさもの」と呼ばれる動物性の食材が使えない精進料理では使われているそうです。

ホーカーなどの店で酿豆腐を食べるときは大豆は入っていませんが、プラナカンの家庭で食べられるときには大豆が入ったままになってるそうです。

イワシと大豆がベースのスープで臭みもなく、日本食とも似ているので、これも日本人に人気の理由なのかもしれません。

マレーシアの酿豆腐(Ampang Yong tau foo)

プラナカンの食文化の一つなのでシンガポールだけではなくマレーシアのフードコートにもシンガポールと同じ酿豆腐がありますが、それとは別にクアラルンプールのアンパン地区の酿豆腐は元の酿豆腐に近くこちらは醤油ベースのだしで似た料理で、スープは少なく麺も入れないので、よりおでんに近いかもしれません。

シンガポールでも数は多くないですがAmpang Yong tau fooのお店もあるようなので、見かけたら是非試してみてください。

シンガポールの料理と言えば、チキンライスにバクテーが有名ですが、酿豆腐もシンガポールのおいしいローカル料理なので、是非シンガポールに来た際にはホーカーの雰囲気を感じながら試して見てください。
酿豆腐の食べ方は酿豆腐(Yong tau foo) の食べ方 ヨントーフじゃないんです、おでんのようなさっぱりとした麺料理でご紹介しているので、こちらも是非見てみてください。

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