イスタナオープンハウス(2/9) 年に5回しか入れない大統領官邸へ(前編)

マレー語で宮殿を意味するイスタナとも呼ばれるシンガポールの大統領官邸ですが、年に5回だけ一般公開され、中に入ることができます。

2016年の公開日は以下の通りになっていますが、特に宗教関連の休日は直前で変更になることもあるので事前に確認下さい。

  • チャイニーズニューイヤー(中国旧正月):2月9日
  • レイバーデー(労働節):5月1日
  • ナショナルデー(独立記念日):8月9日
  • ハリラヤ・プアサ(イスラム教の断食明けを祝う日):7月6日
  • ディーババリ(ヒンドゥー教の祭典):10月29日(暫定)

今回は2016年最初の公開日である2月9日に行ってきました。

午後は混むので朝は9時頃に到着するのがベター

年に5回の公開日とあって、午後になると入るための持ち物チェックがあり、結構な長い列になります。また、イスタナ観光の目玉の一つでもあるガイドツアーも早く行かないと予約でいっぱいになるので9時くらいに到着するように出るのがベストですね。

9時ならほぼ並ぶことなくスムーズに入ることができました。またパスポートとIDチェックはありませんでしたが、念のため持って行くのが良いでしょう。

 

ちなみに帰りの13時頃に列を撮影したのが以下の写真ですが、かなりの行列になっています。

行列は向こう側まで続いていました。

これでは入るだけで疲れてしまうので、ちょっとだけ早起きして行きましょう。
入り口でS$2を支払って入場です。

中に入ったらまずは首相官邸(イスタナ)に向かいましょう

入ると40ヘクタールという東京ドーム10個分の敷地の広い公園になっていて首相官邸が見えないくらいですが、いろいろ見るのは後回しにしてまずは目玉で一番混む首相官邸を人が増える前に見学するのがおすすめです。

また、首相官邸内と公園のガイドツアーがあり、特に首相官邸内のガイドツアーは人気で早い時間の物はすぐにいっぱいになってしまうので、これに参加する場合はすぐに首相官邸前の受付まで行ってガイドツアーの予約だけしておくのが良いです。ガイドツアーはそれぞれS$10でした。

首相官邸ガイドツアー

時間になったらチケット売り場の前でイヤホンとレシーバーを受け取ってガイドツアーが始まります。
※官邸内は写真撮影が禁止なので文章だけになります。

まずは建物の前で建物の歴史から、1869年の建設されたイスタナはイギリス植民地時代に総督の公邸として建設され、そのときは建設の為にインドから3000人もの囚人を労働者として連れてきて建設にあたったそうです。

建物は18世紀のヨーロッパの”Neo-Palladian”と呼ばれる建築様式に似ていて、アジアの気候に合わせて建物を少し地面から離したり、各階の天井を高く作る事で暖かい空気が上に行き部屋が涼しく感じられるようにとの工夫があるそうです。
※それでもやっぱり暑いのでその後各部屋にクーラが設置されたそうですが、外観を崩さないように木箱の中に設置されているそうです。

建物に入ると左右に一室ずつと奥に部屋があります。入ってすぐの2階への階段をのぞき込むと揚がったところにガーディアンという人形がおいてあり、この像は建設に関わったインドの労働者が作った物で、当時はイスタナの入り口に奉られていたそうですが、その後数十年間倉庫にしまわれていたそうです。

90年代に倉庫で発見された際はこの像は帽子をかぶったマレー人の外見に上塗りされていて、倉庫にしまわれる前はマレー人が実権を握っていた為、外見を上塗りしてマレー人に見せて居たのではないかと言うことです。今では上塗りされていた部分を元の口ひげとあごひげのあるインド人の姿に復元し、イスタナの”ガーディアン”として2階に設置されているとのことでした。

左手の部屋はディナー用の部屋で、奥には丸テーブルがあり、ディナーの時は一番奥にはシンガポールの首相が座り、その隣には来賓の一番くらいの高い人、その隣にはその奥さんと続けて座るそうです。

左手の部屋から真ん中奥の部屋に行きますが、奥の部屋は広く、200人くらいが一緒にディナーをする事もできるそうです、ガイドツアーの時には各国から贈られた贈り物が展示されており、日本は日本人形、インドはティーセットなど様々な品があります。

階段の裏手は開けていて、上を見ると吹き抜けになっていて天井にはステンドグラスが設置されています。吹き抜けの天井も高い天井と同じく暑さ対策のためだそうです。

そのまま右手の部屋に移動すると、こちらはState Roomと呼ばれており、首相対談など重要な会議で使われる部屋だそうです。
一番奥には”Presidential Chair”が置かれており、植民地時代はこの場所にシンガポールの中国人コミュニティから英国女王への忠誠の為に贈られたヴィクトリア女王の像が設置されたそうです。

その後、日本軍のシンガポール侵略の時に、砲弾でこの像が壊れてしまうことを恐れ、急いで倉庫にしまわれ、90年代に改めて倉庫から発見、敷地内のQueen Victoria Pondと呼ばれる池の畔に設置されました。また、2016年2月時点ではこの像はイスタナのQueen Victoria Pondにはヴィクトリア女王の像は無く、プラナカン博物館に移設されていました。(プラナカン博物館 ガイドツアーのまとめと落穂拾いに詳しく書いているので是非ご確認ください。)

ヴィクトリア女王の像は戦争中でどうやら急いで倉庫に持っていった為なのか、鼻を破損してしまっていて、後から修復したためこの像の鼻の部分は若干色が違うそうです。ただし近くで見ても言われないと違いがわからないほどでした。

State Roomの”Presidential Chair”の両脇には旗が2本掲げられており、左側の旗はシンガポール国旗ですが、右側の旗は基本デザインは一緒なものの国旗の下半分の白い部分がない真っ赤な旗で、こちらは首相専用の旗だそうです。首相官邸の屋根に掲げられているのもこの首相専用の真っ赤な旗で、首相の勤務時間(9時から18時くらい?)の間だけ出ているそうです。

 

半分もメモがとれていないですが、ざっくりとガイドツアーはこのような内容でした。
是非ガイドツアーに参加して頂いて、より詳しい説明を聞いてみてください。

また、YoutubeにガイドツアーのPVがありましたのでこちらも一度見てみてください。

イスタナの他の見所については次回に続きます。

建物 大統領官邸
料金 入場料:S$2
レーティング ★★(タイミングが合ったら是非)
場所 91 Cavenagh Rd

Dhoby Ghaut駅出のC出口を出てすぐ。
営業時間 08:30 – 18:00
公式サイト