フルトンホテル前の3匹の猫の像とシンガポールの猫 シンガプーラについて

フルトンホテルの前のシンガポールリバーにかかる橋に上の写真の3匹の猫の像があります。
地図のこの地点です。

この猫はシンガプーラキャットというシンガポール原産の猫で公認されている純血種の中では世界最小の猫で、その小ささから小さな妖精とも呼ばれ、成長しても2kg程度の大きさしかならないそうです。

この猫の銅像は1991年に官公庁が観光の為にシンガポールリバーに設置された物だそうですが、元は15匹設置された猫は盗まれてしまい、今ではこの3匹しか残っていないそうです。

また、この猫の像を設置するに当たって猫の愛称を一般公募し、マレーシア語のkucing (猫) とcinta (愛) という言葉からこの猫は”Kucinta”(愛猫)と名付けられたそうです。
※Kucintaはマレーシア語で愛する人という意味もあるそうです。

シンガプーラキャットの由来について

シンガプーラキャットはシンガポール原産の猫で、1970年はじめにシンガポールに駐在していたアメリカ人のMeadow夫妻がシンガポールの動物保護団体SPCAから引き取った猫を純粋交配し、アメリカに連れ帰り、血統種として登録された猫です。

シンガプーラキャットの疑惑

その後Meadow夫妻から猫を受け取った繁殖家のジェリーメイスが、繁殖のために新しいシンガプーラキャットの基礎猫を連れ帰るためにシンガポールを訪れていた際に、Meadow夫妻がアビシニアンとバーミーズというシンガプーラキャットによく似た猫を連れ込んでいたという記録を発見してしまい、シンガプーラがシンガポール土着の純血種ではなくアビシニアンとバーミーズの交配種ではないかとの疑いが出てきました。

その後、アメリカの愛猫会協会(CFA)がMeadow夫妻に確認したところアビシニアンとバーミーズを持ち込んだ事は認めたものの、シンガプーラキャットはそれより前の旅行で連れ帰ったと証言し、CFAはMeadow夫妻がSPFAからシンガポールの捨て猫を譲り受けて交配したことは間違いのない事実として、シンガプーラの登録を取り消すことは無かったそうです。

そんなシンガポール固有の猫として疑惑のあるシンガプーラキャットですが、それでもシンガポールリバーのマスコットとして今でも愛されています。