プラナカンの生活
3階に上がるとプラナカンの生活に関する展示があります。
この写真はプラナカンの食事風景の展示のもので、中国では丸テーブルがダイニングテーブルとして使われますが、プラナカンでは長方形のロングテーブルが使われたそうです。
ニョニャ・ウェアとも呼ばれるプラナカンの工芸品の中でピーズと並んで有名なプラナカンの食器ですが、この写真のような華やかなものは特別な儀式の日に使われるもので、裕福な家庭のものは特注品で、食器にはそれを表す名前(姓)が書かれていたそうです。
この展示の食器はクアラルンプールの父とも言われる有名なプラナカンの葉亜来(Yap Ah Loy)の家族が実際に使っていたもので食器の淵に名前が書かれているそうです。
こちらのカップには德生公司と書かれていますが、こちらは葉亜来(Yap Ah Loy)のお店の名前だそうです。
また、プラナカンの食器には蝶のモチーフがよく描かれるそうですが、これは天恵、幸せ、健康の象徴だそうです。
※葉亜来(Yap Ah Loy)はシンガポール、マレーシアの人の間ではとても有名な人みたいで、壁の写真を見てすぐに誰か答えていました。
食事をとても大切にするプラナカンの人たちは、毎回の食事でたくさんの品目を食べますが、特に食後のデザートは数が多く大きな家族では16品目も出てきたそうです。(甘いもの好きなんですね)
プラナカンの台所
こちらはプラナカンの台所ですが、奥さんが朝一番にすることはかまどの火に薪をくべる事で、これはかまどの火は消えることなくずっと台所で燃えていて、火を消さないことで家族のビジネスがずっと続くと考えられていたそうです。
中国とマレーの料理が融合したニョニャ料理は、非常に手間がかかりプラナカンの女性たちは一日の大半をこの台所で過ごしたそうです。
また、ニョニャ料理はスパイスを多く使い、スパイスをつぶすのは重労働でしたが、前回の記事で紹介した結婚のアレンジをするマッチメイカーは年頃の女の子がいる家庭の台所の裏手でこのスパイスをつぶす音などの料理の音をき聞いて良い女性か見分け、リズムよく忍耐強くスパイスをつぶしている女性はいいお嫁さんになると花婿の家族に紹介したそうです。
プラナカンの食器(ニョニャ・ウェア)の生産は中国の江西省の景徳鎮という地域の窯元でプラナカン専用に生産されていたそうです。
また、華やかな色合いがプラナカンの人たちの心をつかんだのか、日本の有田の柿右衛門の陶器を使っていたプラナカンの家族もいるそうです。
プラナカンの食器の中でもこのKamchengと呼ばれる食べ物を保管しておく蓋付きの容器はコレクターも多く、本物のアンティークはかなりの値段になるそうです。
プラナカンの洋服
シンガポール航空の客室乗務員のユニフォームでも有名なプラナカンの伝統衣装 サロン・ケバヤですが、元はマレーシアの民族衣装でだったそうです。
※サロンがスカート部分、ケバヤがブラウスを指します。
この写真はあるプラナカンの衣装ですが、一見すると伝統的な衣装に見えますが、おなかのところにフラメンコの模様が入っていて、貿易商人たちがもたらした文化とマレーの現地文化に加えて、植民地という背景からの西洋文化の融合というプラナカンの背景をよく表した衣装だと思います。
様々な衣装が展示されています。
また、プラナカンのブラウスのケバヤは洋服と似た構造ですが、前で止めるボタンがなく、ボタンの代わりにブローチを使うそうです。
ガイドツアーは最後のプラナカンの宗教とお葬式の展示に続きます。